青ヶ島
東京都最大の秘境が伊豆諸島の「青ヶ島」です。東京都心からの距離は358kmもあります。島内の人口は約160人程で、日本一人口の少ない村としても知られています。島内には手付かずの自然が数多く残り、星も伊豆諸島のどの島で見るよりも綺麗。上陸さえできれば絶景が待っています。しかし、簡単には上陸できないのが秘境「青ヶ島」なのです。
青ヶ島が「秘境」と呼ばれるゆえんは、そのアクセスの難しさにあります。「他の伊豆諸島の島々のように船や飛行機で上陸できるんじゃないの?」なんて思う方もいるかもしれません。確かにそうなのですが、それがなかなかうまくいかないのが青ヶ島です。
まず、青ヶ島への直行便はありません。これは、船も飛行機も同じです。そのため、青ヶ島へ向かう際は一旦八丈島を目指します。八丈島までは羽田空港から飛行機で約55分、大型船で10時間程度です。さらに、そこから連絡船に乗り継いで青ヶ島を目指します。しかし、ここでもまた壁が!八丈島から青ヶ島への連絡船は週に3~4便。それも天候に大きく左右され欠航することもしばしばです。「いつ運行できるかわからない船を待つなんて…」という方は八丈島からヘリを利用することもできます。ただし、このヘリは1日9席のみ。ヘリも霧の発生時などには着陸が難しくなったりしますが、それでも船に比べると確実な移動手段です。
また、青ヶ島は一度上陸できたからといって油断できません。天候次第では1週間ほど島に缶詰になってしまうこともあります。仕事や学校がある方にとっては、この変則的条件ではなかなか旅行の予定はたてられませんよね。そういったことからも、青ヶ島は「選ばれし者だけが上陸可能な島」と言われているのです。
さて、そんな青ヶ島ですが、無事上陸できたら数々の絶景があなたを待っています。島の周囲は切り立った崖に囲まれていて、ビーチなどはありません。その代わり、世界的に珍しい「2重カルデラ」を見られます。村を囲むように周囲にそびえる山と、その中心にあるさらに小さな山が世界的に珍しい景観を生み出しています。
青ヶ島の星空は伊豆諸島の中でも随一。特に、島の最北端は民家や電灯のないエリアが広がっています。このエリアには街明かりも届かないため、星空が美しく見えるのです。ここからの星空は「星空コロシアム」と呼ばれるほどの美しさを誇ります。集落から離れているので、物音も聞こえない静かな闇が広がります。そこに草木が風で揺れる音や波の音などが聞こえてきて癒やし効果抜群。肉眼で様々な星座や天の川が見られますよ。