首都東京の玄関口でもある東京駅。そんな東京駅の周辺エリアには、名品名作が鑑賞できるミュージアムが数多く、実はアート鑑賞をするにはもってこいのエリア。観賞後はもちろん周辺の人気エリアを楽しむこともできるなど、想像以上にアートと日常生活の境が曖昧な場所でもあります。
肩肘張らず気軽にアートと触れ合えるからこそアート初心者さんにもおすすめなスポットでもあります。今回は東京駅を軸として、徒歩から地下鉄1本で行ける厳選10館をご紹介。観光や東京駅でのちょっとした待ち時間でも楽しめるアートスポットで心を豊かにしてみませんか!?
1.東京駅からすぐ、クラシックな赤煉瓦が目印「三菱一号館美術館」
東京駅から徒歩圏で、特徴的な赤煉瓦が目印の「三菱一号館美術館」は、英国建築家ジョサイア・コンドル氏が設計し1894年に建てられた「三菱一号館」を復元したもの。同時代に英国で流行した英国で流行したクイーン・アン様式を採用した美しいフォルムと、日本の近代化を象徴するような佇まいはアートへの期待を高めてくれます。
同美術館は、2010年春にオープンし、19世紀後半から20世紀前半の近代美術をメインとする企画展を1年に3回実施しています。コレクションは建築物と同様の年代である19世紀末の西洋美術を中心に、ロートレック、オディロン・ルドン、フェリックス・ヴァロットン作品等を収蔵しています。
館内の旧銀行営業室を復元したミュージアムカフェ「Cafe1894」はとてもクラシックな雰囲気。ランチからティー、ディナーとオールタイムで展覧会タイアップメニューなどが味わえます。またミュージアムショップ「Store1894」も併設し、来館の思い出を手にすることも。丸の内の歴史を紐解く歴史体感スペース「歴史資料室」など展示とともに見所が満載。東京の中心ながら、静寂とレトロが融合する館内を歩くだけで時空を超えた感覚が味わえます。
2.ジョルジュ・ルオーから日本画の有名作と常に出会える「出光美術館」
出光興産の創業者・出光佐三氏が約70年の月日をかけ収集した美術品を公開するために1966年に開館。東京駅からほど近い丸の内エリアに位置し、ビルのワンフロアながら開放感を感じる構造のミュージアムでは、国宝「伴大納言絵巻」、古筆手鑑「見努世友」、重要文化財57点を含む約1万点を収蔵。日本の書画や、中国、日本の陶磁器など東洋古美術の名品を中心に年6回の展覧会を開催しています。
同美術館「出光コレクション」は世界有数のジョルジュ・ルオー作品のコレクション数を誇り、専用展示室を併設。油彩連作「受難」や「聖書の風景」「ミセレーレ 1」などはじめ常時5〜7作品を鑑賞できます。また「陶片室」は同館ならではの展示が魅力。日本からアジアまで幅広いエリアの遺跡や窯跡から発掘された陶片が鑑賞できます。
また、尾形光琳「紅白梅図屏風」や酒井抱一「八ッ橋図屏風」に「風神雷神図屏風」、さらに六曲一双「洛中洛外図屏風」など一度は鑑賞したい日本美術の名作も多く、常設展示がないため展示作品に合わせ足繁く通いたくなるはず。なお、事前予約制でのみの入館となるので予約するのを忘れずに。
3.グラフィックの魅力を多角的視点で紹介「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」
1986年に印刷会社大手の大日本印刷株式会社が、創業の地に文化活動の一環として「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」をオープンしました。頭文字をとって多くのファンに「スリー・ジー(ggg)」の愛称で親しまれています。グラフィックデザインの専門のギャラリーとして活動しており、展覧会やレクチャーをはじめ私たちの日常に溢れているグラフィックの面白さと素晴らしさを伝える機会を提供しています。
同館では年間8回ほどの展示会を開催。直近では芸術家・横尾忠則や、イラストレーター宇野亞喜良、NYを拠点に活躍するステファン・サグマイスターなど、幅広い視点から国内外の作家を紹介する企画展が目白押し。銀座を訪れたならば、常にチェックしておくべきギャラリーといえるでしょう。