東京都台東区にある「上野公園」は、正式名称を「上野恩賜公園(うえのおんしこうえん)」といいます。東京都建設局の管轄にある公園で、敷地面積は53万平方メートルです。博物館や動物園など数多くの文化施設があり、文化・芸術の集合地域としての役割も果たしています。
「上野恩賜公園(上野公園)」とは?
戊辰戦争の戦場となって消失した寛永寺の境内地を、オランダ人医師ボードウィンの働きかけにより、1873年に太政官らが東京都府公園に指定したことが「上野恩賜公園(上野公園)」の始まりです。1876年の完成・開園以来、日本で初めて指定を受けた公園のひとつとして、140年の長きにわたり都民の憩いの場として親しまれてきました。
「上野公園」は、武蔵野台地の末端に形成された舌状台地「上野台」に位置することから「上野の山」と呼ばれています。また、緑濃いその出で立ちから「上野の森」と称されることも。
明治維新後は官有地となり、その後宮内庁を経て東京都に下賜された経緯から、現在の正式名称は「上野恩賜公園」です。
のちに「東京国立博物館」、「国立西洋美術館」、「国立科学博物館」、「恩賜上野動物園」などの施設が新設され、現在では約53万平方メートルの広い敷地内に数々の施設が点在。文化が香る公園へと変貌を遂げました。
また、2010年度から2015年度までの計画で「上野恩賜公園再生整備事業」が行われています。国内有数の都市公園として、世界に芸術と文化が発信される場の再生が目指された整備事業です。
「上野恩賜公園(上野公園)」の見どころ
上野恩賜公園には、見どころ溢れるスポットが多数存在しています。すべてを堪能しようと思ったら、1日ではとても足りないほど! 季節や目的に合わせて、ターゲットを絞って散策を楽しみましょう。
不忍池と弁天島(中之島)
上野恩賜公園の南に広がる大きな天然池「不忍池」。不忍池の中央に、弁財天を祀る「弁天島(中之島)」があります。また、不忍池は遊歩のために設けられた堤防で、3つの池に分かれているのが特徴です。手漕ぎボートやスワンボート、サイクルボートを楽しむことができる「ボート池」、一面を覆われた「蓮池」と、カワウが繁殖する「鵜の池」からなっています。
西郷隆盛像
「上野の西郷さん」と呼ばれ親しまれている「西郷隆盛像」は、「上野恩賜公園」の正面入口近くに立っています。江戸城の無血開城に貢献し、新時代の礎を築いた軍人・政治家「西郷隆盛」の像は、全国から集められた寄付と、宮内庁の下賜により建立されました。