神社やお寺だけで歴史を感じるだけでなく、自然の美しさも多く感じられる京都の観光地、嵐山。歴史的に貴重な建築物が数多く存在しており、重要文化財や世界遺産に登録されているものもあります。また、嵐山は近年パワースポットとしても人気が高まっています。老若男女問わず幅広い世代から人気がある嵐山の魅力をご紹介します。
京都西部・嵐山 世界遺産認定のお寺4選
京都府にある17の世界文化遺産のなかから、京都市西部にあるお寺を4つご紹介します。建築の美しさや荘厳な雰囲気に感性が刺激されること間違いなし。4つのお寺はいずれも嵐山からバスでのアクセスが可能。ひと足のばして、世界が認めた日本の美を味わいましょう。
1.龍安寺
龍安寺は、京都府右京区にある妙心寺七刹の一つ。徳大寺家の山荘を細川勝元が禅寺としましたが、残念ながら火災により当時の遺跡はありません。美しい石庭で有名な庭園は枯山水で「虎の子渡しの庭」とも呼ばれます。遠近法を用いて奥行きをもたせた作りは見る者を驚かせます。
2.仁和寺
仁和寺は宇多天皇が入寺した寺として知られています。広い境内に金堂や御影堂が建っており、数々の文化財を所蔵しています。桜や梅の季節には特に観光客が多く訪れ、中でも遅咲きの御室桜(おむろざくら)はほかの桜と一味違って一見の価値あり。境内には宿泊施設もあり、泊まれる世界遺産として人気があります。
3.天龍寺
天龍寺は、京都五山制度で第一位として位置づけられていた歴史のある格式高い禅寺です。当時の面影はないながらも、明治以降に再建された趣のある諸堂がたち並んでいます。夢窓国師の作といわれる亀山と嵐山を借景にした池泉回遊式の庭園が有名です。また、予約をすれば庭園内で精進料理が食べられます。
4.高山寺
高山寺は、774年に建てられ、のちに明恵上人が後鳥羽上皇の帰依を得て再建した寺です。栄西禅師から贈られた茶を、日本で初めて植えたことで知られています。境内内の国宝石水院は、寝殿造りの面影を残す貴重な建物。鳥獣戯画4巻など、国宝や文化財を約一万点も有し、世界文化遺産にも登録されているスポットです。
嵐山・トロッコ沿線で楽しめるスポット5選
嵐山から丹波亀岡まで、桂川に沿って東西をつなぐトロッコ。美しく彩られたディーゼル機関車の車窓からは、桜や紅葉など季節ごとに表情を変える絶景を楽しめます。「トロッコ嵐山駅」周辺を中心に、おすすめスポットをご紹介いたします。
1.祇王寺
祇王寺は右京区にある静かな草庵で、平家物語にも登場する寺です。平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王が、清盛の心変わりにより出家して入寺した悲恋の寺としても知られています。緑がなんとも美しい、苔に覆われた庭としても有名です。
2.常寂光寺
常寂光寺(じょうじゃっこうじ)は、百人一首で詠まれる小倉山の中腹の斜面にあり、境内は嵯峨野を一望できる見晴らしの良い場所に位置しています。秋になると紅葉に包まれ、その美しい景色を見るために訪れる参拝客があとを絶ちません。平安時代に藤原定家の山荘があったと伝わる地でもあります。
3.二尊院
二尊院は嵯峨野にある天台宗の寺院で、総門を入った「紅葉の馬場」と呼ばれる参道は、紅葉の名所として広く知られています。本尊に釈迦・阿弥陀の二如来をまつっています。また奥には百人一首ゆかりの藤原定家が営んだ時雨亭跡と伝わる場所があります。
4.保津峡
亀岡市の保津橋から嵐山の渡月橋にかかる保津川の渓谷、保津峡。ハイキングコースとしても有名です。最近は「保津川下り」と呼ばれるラフティングが人気を博しており、16kmを約2時間で滑り落ちるスリリングな体験を味わうことができます。
5.落柿舎
落柿舎は、松尾芭蕉の弟子であった俳人・向井去来の草庵でした。庭にあった40本の柿の木の実が一晩にしてほとんど落ちたことから、「落柿舎」という名がつけられたと言われています。有名な歌人たちによる歌が刻まれた碑がおかれています。