東海道の要衝に築かれ、長い歴史を持つ小田原城。現在の天守閣は、1960年に再建されたものです。再建から55年余り、平成の大改修を終えた天守閣が、2016年5月1日に公開されました。新しくなった小田原城の魅力について、じっくりとレポートします!
小田原城の歴史
小田原城といえば、戦国武将として名を馳せた北条氏を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。小田原城は南に相模灘、東に酒匂川、西と北には箱根山という要害堅固な城で、四代目北条氏政の時代には上杉謙信や武田信玄の攻撃を退け、難攻不落といわれていました。
しかし天正18年(1590年)、豊臣秀吉の軍勢による包囲戦の結果落城。北条氏の領地は徳川家康に与えられ、家康の家臣だった大久保氏が城主となります。その後は幕府の直轄となり、維新後の明治3年(1870年)に廃城となりました。
昭和35年(1960年)、小田原市政20周年の記念事業として、天守閣が再建されました。さらに常盤木門、住吉橋、銅門が再建され、平成21(2009)年に馬出門が再建されています。子どものころに行ったきりの方は、この機に再訪されてはいかがでしょう。記憶とはかなり違っているはずですよ。
小田原駅から小田原城へのアクセス
それでは、登城ルートを歩いてみましょう。
JR東海道線、小田急線のほか、新幹線や大雄山線、箱根登山鉄道が乗り入れる小田原駅の構内です。JR改札前には、巨大な小田原ちょうちんがぶら下がっています。このちょうちん、待ち合わせの目印に使われることが多いんです。
小田原駅の東口に出ましょう。
ロータリーを右から回りこんで、「小田原駅東口」の信号をまっすぐ進みます。
小田原名産の練り製品や干物、ういろうのお店が並んでいます。
三井住友信託銀行の角を右折し、お堀端通りに入ります。ここから小田原城までは、まっすぐです。
お堀が見えてきました。手前に見える赤い橋は、学橋(まなびばし)です。学橋を渡った先は二の丸御殿が建っていた場所で、骨董市などのイベントが開かれる広場になっています。
学橋の向こうにニの丸隅櫓(にのまるすみやぐら・手前)と馬出門(うまだしもん・奥)、馬出門土橋(左)が見えています。この馬出門が、小田原城の正門です。
馬出門(うまだしもん)
馬出門土橋を渡り、馬出門から入城しましょう。
画像は二の丸側から見た馬出門です。馬出門(左)を入ると内冠木門(うちかぶきもん・右)が直角に構え、ふたつの門のあいだは土塀で囲まれています。この敵に攻めこまれにくい構造を、枡形門(ますがたもん)といいます。
門を抜けたスペースは馬屋曲輪(うまやくるわ)といいます。奥の建物は昭和初期の建築で、現在は観光案内所になっています。この建物の辺りに、厩(うまや)があったそうです。
観光案内所で(駅や藤棚周辺でも)、ボランティアのガイドさんをお願いすることもできます。グリーンのベストが目印です。