京都のおすすめ庭園15選!日本文化の美の結晶をじっくりと味わおう!

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10.源光庵

1346年臨済宗⼤徳寺2代・徹翁国師によって開創された「源光庵(鷹峰⼭寶樹林源光庵)」。約300年前に建てられた本堂裏の枯山水庭園は、北山を借景しており秋の赤く染まった紅葉の美しさは折り紙付きです。

本堂の角窓「迷いの窓」は人間生涯を象徴しており、⽣⽼病死の四苦⼋苦を表現。丸窓「悟りの窓」の円は禅と円通の心、大宇宙を表現しています。角窓の前で自問自答し、丸窓の前で自分を見つめなおすことで、ありのままの自分に生まれ変わることができるといわれています。窓からは、新緑から紅葉、雪景色と四季折々の日本の美を魅せてくれます。

なお、「伏見桃山城」の遺構として約380名が自害した恨跡として血天井も本堂にあり、生々しくくっきりと残った足跡や血の跡は武士の無念さと戦いの無惨さを今に伝えてくれます。現在、改修工事のため長期拝観休止中。拝観再開は2022年春頃を予定しています。

11.松尾大社

701年創建で京都最古の神社のひとつ「松尾大社」。平安時代から強い霊力により「松尾の猛霊」として都の守り神として称えられてきました。特にお酒に関わりの深い醸造祖神として日本全国の酒造家から味噌、醤油をはじめとする製造販売業から厚い信頼を得ています。

御祭神・大山咋神が川を進むときに乗っていた亀と鯉を神の使いとし「幸運の撫で亀」(不老長寿)「幸運の双鯉」(開運出世)が本殿正面左右に鎮座。境内の「松風苑三庭」は、昭和の名作庭家・重森三玲が庭園研究の奥義を結集させた現代の芸術作品。松尾山頂上近くにある磐座を模して造られた神が宿る聖域「上古の庭」、平安貴族が愛した雅遊の場をイメージした艶やかで八方美の「曲水の庭」、鎌倉時代に流行した不老不死の仙界の意味を持つ蓬莱を取り入れた回遊式庭園「蓬莱の庭」の3つの庭が楽しめます。

四国吉野川産の青石を贅沢に使った名園を散策しながら、作庭家が目指した仙界に遊ぶ境地へ誘われてみましょう。

12.智積院

真言宗智山派の総菩薩所・総祈祷所の「智積院」。長谷川等伯やその弟子による「楓図」「松に立葵図」をはじめ貴重な文化遺産を保有しています。境内の庭園も美を極めており大書院東側の「名勝庭園」は、桃山時代に豊臣秀吉が前身の寺「祥雲禅寺」を建立した際にその原型が造られました。

「智積院」となってから第七世運敞僧正が修復を手掛け、東山随一の名を得ました。庭園は高低差を利用し築山で中国の廬山を表現、山の中腹に石を配置し、全面に池を堀るなど変化をつけています。池が大書院の下側に入ることで平安時代の寝殿造の釣り殿のようになっています。「利休好みの庭」として伝わっており、縁側に座って庭を眺めると、まるで水の上に浮いているような心地よさ。

4月中旬から6月中旬にかけてツツジが咲き誇り、華やかな庭園風景が堪能できます。休憩所やトイレなどの設備も整っており、フリーWi-Fiも提供しています。

13.修学院離宮

「修学院離宮」は、1659年に後水尾上皇により造営。京都北東部・比叡山麓に位置する雄大な山荘。総面積545,000平方メートルの敷地内には上離宮・中離宮・下離宮3つの離宮が建てられ、背後の山林を借景とする手法を取り入れた日本を代表する庭園です。

中離宮「客殿」は離宮の中でも華麗であり豪華。隣の「楽只軒」の前面には元尼寺らしいひなびた美しい庭が楽しめます。上離宮には「浴龍池」を中心とした広大な回遊式庭園が広がります。高低差に富んだ地形を生かした庭は後水尾上皇のお好みが反映されており、池を眼下に見る位置にある「隣雲亭」からの展望は、17世紀から変わらない景色。自然を取り込んだ宮廷庭園をじっくり堪能しましょう。

参観コースは約3km、約80分に渡ってガイド付きの見学が楽しめます。見学には宮内庁京都事務所参観係への事前申し込みが必要。1日4回参観を実施。参加資格は18歳以上。

14.圓光寺

徳川家康が1601年に開いた洛陽学校が元となった「圓光寺」。多くの絵師や文人らを開かれた校風で育て上げ、明治時代以降は尼寺として役割を果たしてきました。境内には四季折々の植物が植えられ春は「淡桜園」の満開のしだれ桜、夏は深緑の苔と竹林、冬は降り積もる雪と静寂。そして秋は池泉回遊庭園「十牛之庭」から眺める紅葉の洛北の山々が燃え上がるような紅に染まる景色が圧巻です。

同庭園は人が生まれながらに持つ仏心を牛で表現した「十牛図」を題材に石を牛に見立てて配置しています。雲海を模した白砂と切り立った岩を稲妻、龍として表現した平成の枯山水「奔龍庭」は、あえて庭との境界を表す留め石を配置せず未完のまま。鑑賞者に考える余白を与え、より滞在を充実したものにしてくれます。鳥たちのさえずりと水の音のみが聞こえる心地よい洛北最古の池「栖龍池」や丸山応挙作「雨竹風竹図」のモチーフとなった「応挙竹林」など見所もたっぷりです。

15.曼殊院

皇族一門が住職を受け継ぐ門跡寺院「曼殊院」。敷地面積約1,800平方メートルで1656年に現在の場所に良尚法親王により移築。書院の引き手や欄干をはじめ、造りに「桂離宮」と共通点があるため「小さな桂離宮」と呼ばれています。

大書院前の枯山水庭園は、水の流れを表現した白砂敷に鶴島と亀島を配置するなど縁起の良いモチーフを使用。鶴を表した樹齢400年の五葉松の根元に曼殊院型のキリシタン灯篭が配された公家好みの造りが特徴です。江戸初期の大名茶人で作庭家の小堀遠州好みと伝わっており、国の指定名勝です。

周囲を彩る霧島つつじは5月ごろが見頃ですが、紅葉シーズンもベスト。ライトアップなども実施され、昼と夜両方の美しさを目が奪われるはず。小書院横の「梟の手水鉢」も有名ですので、忘れずに鑑賞を。狩野探幽作の襖絵や狩野永徳作「竹虎図」をはじめ国宝の「不動明王(黄不動像)」「古今和歌集」など文化財も多く所蔵しています。

事前準備でさらに参拝&庭園巡りの充実度アップ。日本最高峰の庭園で美に癒されて!

作庭当時の流行や意思が美と宿る京都の名園たち。それぞれに特色と個性的な美しさがあり再び訪れたくなる魅力に溢れています。

ただ訪れるだけでも十分楽しめますが、時間があるならば事前に庭園知識を入れておくとさらに訪問が充実した時間になるはず。波を表現している砂や縁起物を模した島や松の配置、そして作庭家の思想や庭園オーナーの嗜好を知っていると庭の見え方も段違いに変わってきます。

船遊びに使われた池で当時の豪華な暮らしを想い、丸窓から眺める庭園の景色でありのままの自分を取り戻したり、発見や気づきがよりたくさん得られるはず。静寂のなかで心を癒すとともに参拝プラスαの体験を京都の庭園で得てみてはいかがでしょう。

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(※2018/8/29に公開した記事を再編集したものです。掲載されている情報は公開日のもので、最新の情報とは限りません。最新情報は必ず公式HPでご確認ください)

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