ついに松下村塾と対面
鳥居をくぐってすぐのところにあるのが、幕末当時のままで保存されている松下村塾です。
えっ。
小さい…
歴史的建造物というので、それなりに立派な建物を想像していたんですが、ただの古い家です。いや、正直に言うとボロい家です。
平屋だからか、瓦屋根もすごく近くに感じます!本当にこんなところに志士たちが集まっていたのだろうか?と思わず疑ってしまうほどのボロさ、いや質素な雰囲気です。
ここはもともと、国禁を犯して密航をしようとした吉田松陰が、藩から「蟄居(家の中に閉じこもって外出しないこと)」を命じられて過ごしていた建物です。そこに吉田松陰の教えを請いに、身分の隔て無く人々が集まり、「松下村塾」として賑わいました。
ちなみに「松下村塾」をもともとつくったのは吉田松陰ではなく、松蔭の叔父である玉木文之進でした。玉木文之進は山鹿流の兵学者として、松蔭に厳しく教育を行いました。
わずか8畳のこの部屋が「講義室」だったとのこと。ここから日本の未来を憂い、議論がかわされ、日本を根底から変える力が生まれていったのだと考えるとなんだかすごいです。
中には、久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文、木戸孝允(桂小五郎)、吉田稔麿、山田顕義などなど、幕末に活躍した志士や明治日本をつくった人、内閣総理大臣まで、歴史上の人物の写真がたくさん飾ってあります。これはすべて松下村塾で学んだ門下生たちです。(木戸孝允は正確には藩校時代の門下生ですが、松陰の弟子であるという思いを持ち続けていました)
ちなみに最初は本当に8畳の部屋しかなかったのが、どんどん塾生が集まるので10畳半の部屋も増築されたのだそうです。塾生たちはこの二間の平屋で、日夜熱い議論を交わしていました。