4.刺激的なアートとの出会いが待つ「市原湖畔美術館」
市原湖畔美術館は、千葉県一の貯水面積を誇る高滝湖の湖畔に建てられた緑豊かな美術館です。戦後銅版画の第一人者として知られる深沢幸雄氏の作品を中心とした常設展をはじめ、幅広いジャンルの多彩な企画展を開催。市原市でアートを満喫するなら絶対に外せない人気観光スポットとなっています。
館内には常設展示の作品に加えて、新たなアートが続々登場。KOSUGE1-16さんの「Heigh-Ho」は、その名のとおり逆さまにした人間の肺胞をイメージした立体像。今にも弾け出しそうなダイナミックな姿が印象的です。
美術館の屋上へ向かう階段と、屋上に設置された700本にも及ぶ金属製のチューブ。アコンチ・スタジオの作品「MUSEUM-STAIRS / ROOF OF NEEDLES & PINS」は、異世界へと迷い込んだかのような錯覚を覚えるアートの林です。天候や時間帯によってさまざまな表情を見せてくれるので、何度か足を運ぶのもおすすめ!
美術館前の広場にたたずむ石碑。鈴木ヒラクさんの作品「Warp」は、道路などで使用される反射板を埋め込んだ現代の遺跡です。シンプルながらも存在感あふれる作品についつい興味がそそられます。
館内だけではなく、広場にも数多くの作品が展示されているので見逃せません。地面に描かれたウラジミール・ナセトキンさんの作品「星座『高滝湖座』」は宇宙がテーマ。無限の彼方を指し示し、惑星間の力学を形にしたもので、規模の大きさに圧倒されます。
5.学園祭のような楽しさにテンションがあがる「旧平三小学校」
「旧平三小学校」は閉校した小学校をそのまま活用した展示場。大人になるとなかなか小学校に入る機会がないため、廊下を歩いているだけで懐かしさと同時にワクワクした気持ちが湧いてきます。作品ではないにしろ、当時のまま時間が止まっている学校そのものがまるでアートのよう。
やさしい市原市の町灯りを、数多くのミニチュアハウス型ランプで再現した作品が栗真由美さんによる「ビルズクラウド」。子どものころ、日が暮れ始めるなかをお腹を減らして家路を急ぐ、そんなシーンが頭の中で蘇ります。柔らかな電球色が幻想的な雰囲気を作り上げ、ただそこにいるだけで心が癒やされそう。
「ビルズクラウド」は階段の途中にも展示。まるで巨大なシャンデリアのような美しさに圧倒されます。
理科室に展示されているのは、特殊な樹脂シートを加工して造られたオブジェが並ぶミカーラ・ダウアーさんの作品「願いの井戸」。一般的なアートでよく見られる彫刻やオブジェとは違い、透明感あふれるその姿はまるでクラゲのよう。一つひとつが命を持っているかのような感覚を覚えます。
ほかの作品よりも、おどろおどろしい雰囲気が印象的なラヴァル・モンローさんの作品「サンクチュアリ」。作者が育った場所の伝統であるガイフォークスの人形を用いたインスタレーション作品で、その力強い存在感についつい魅了させられます。このような独特な趣向を持つアートを観賞できるのも、「いちはらアート×ミックス2020+」の楽しさです。
教室内に突然現れる宇宙船。キム・テボンさんの作品「ドリームキャッチャー」は、未来を目指し、夢を捕まえにいくという体験ができるインスタレーション作品です。内部のライトは一定時間ごとに激しく点滅。その瞬間、どこか別の世界へと旅立つような、そんなワクワクした体験が待っています。
6.自然との調和を思う存分に楽しめる「月崎駅」
大福山、梅ヶ瀬渓谷ハイキングコースの下車駅である月崎駅周辺は、市原市の自然を満喫したい人におすすめのエリア。線路沿いに桜の木が植えられており、花見シーズンになると多くの人でにぎわいます。
もともと小湊鉄道の鉄道保線員の詰所だった小屋を、人々を森へ導くための駅として再利用した作品が木村崇人さんによる「森ラジオ ステーション×森遊会」。小屋は約60種以上の山野草や苔で覆われ、見事なまでの自然との調和を成し遂げています。
屋内にあるラジオで、森のライブ音が聴けるという斬新なアイデアが光る作品。大自然のBGMに耳を傾け、まったりとしたひとときを過ごしてみてはいかがでしょう。