展示されたジュエリーを覗いてみよう!
天然の真珠の時代
真珠博物館の中には、様々なジュエリーも展示されています。こちら「天然の真珠の時代」では、その名の通り、天然の真珠が使われているジュエリーが展示されています。
一番古い物は、こちらの紀元前後(帝政ローマ時代)のネックレス。なんと、今から2000年ほど前の貴重な品なのだそう。真珠の歴史って、本当に奥が深いのですね。
他にも、いびつな形をしたバロックパールを動物の体に見立てたジュエリーや、髪の毛を使ったジュエリーなど、一風変わった品がたくさん展示されていました。
ミキモト美術工芸品
「ミキモト美術工芸品」のコーナーでは、無数の真珠を散りばめた美術工芸品が展示されています。
養殖真珠誕生から100周年を迎えた1993年に制作した「夢殿」。
こちらの「地球儀」は、海は真珠、大陸は22金、赤道はルビー、横道はダイアモンドで作られており、銅版には四季折々の草花が彫金されています。
また、昭和12年にパリの万博に出品された帯留「矢車」は、12種類のデザインを持つジュエリー。ドライバー1本で部品の分解や組み立てができ、12通りの使い分けができる多機能ジュエリーなのです。
他にも、奈良法隆寺の五重塔をモデルに制作された「五重塔」や、アメリカの独立宣言で打ち鳴らされた「自由の鐘」を3分の1に縮小した工芸品など、普通ではお目にかかれない貴重な物がたくさん展示されています。
海女の実演を見てみよう!
博物館を見学していると、館内に海女の実演をお知らせするアナウンスが流れました。さっそく「海女スタンド」へと向かうと、実演の瞬間を今か今かと待つ大勢の観光客の姿が目に入ってきました。
真珠の養殖が始まった当初、海女は養殖において必要不可欠な存在でした。今現在は技術が発達し、海女が海に潜る必要性はなくなりましたが、昔ながらの海女の作業を知ってもらうため、真珠島では今も一年を通し海女の実演が行われています。白い磯着姿の海女が見られるのは、今ではここ真珠島だけなのです。
実演の時間になると、「海女船」と呼ばれる船に乗り、昔ながらの白い「磯着」を着た二人の海女が登場しました。
海の深さは6メートル。勢いよく船から飛び込み、海に潜る海女たち。
しばらくすると、貝を手にして海面へと戻ってきます。迫力ある海女の実演は、その場にいる者を虜にする美しさです。
また、実演中に私たちの耳に届いてきたのが、海女がピューと吹く口笛の音。これは「磯笛」と呼ばれます。海底深くもぐり、海面に浮かびあがった瞬間、急に大きな呼吸をすると肺や心臓を傷めるため、磯笛を吹くことで呼吸の調節を行うのです。
この磯笛は「日本の音風景100選」にも選ばれています。まるで鳥たちがさえずるかのような心地良い音色を、ぜひ、実際に聞いてみてください。